【扇谷上杉家の野望】その10 蕨の決戦

霧のかかる蕨の地で、決戦は静かに始まりました。

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こちらの主戦力は、佐竹慶篤(兵3409)、太田資正(兵1884)、菅谷勝貞(兵1626)の部隊です。

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※当主・上杉朝興は1300しか兵がないので、主戦場は家臣に任せる。

一方、北条家の主戦力は、総大将・北条氏綱率いる小田原軍5941。

そして右翼には北条綱高(兵1973)、富永直勝(兵1191)、上田朝直(兵700)。左翼には北条氏康(兵1675)、北条高広(兵989)、寺社国人衆(兵1020)。基本的に氏綱以外の部隊は小粒です。

総合的に見ると、敵の右翼は手薄です。ここは敵右翼側(こちらからみて左側)に部隊を集中し、総大将・氏綱を狙います。

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※それでも、正面から戦えばこちらには氏綱に対抗できる戦力はない。

当家がこの会戦で切り札とするのは、佐竹義篤の部隊に所属する剣豪・愛洲宗通の「奥義一閃」です。奥義一閃は乱戦中に高確率で敵を混乱させるという、名のある剣豪のみに許された鬼畜戦法です。名前からするとどんな戦法なのか皆目検討がつきませんが、とにかくこれにより北条氏綱を混乱させ、そこに佐竹義篤、太田資正らをぶつけて一気に勝負をつけます。もし混乱しなかった時は、負けです。

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※「乱戦中に高確率で敵を混乱させる」 高確率とはざっくりしているが、一体どのくらいの確率なのだろうか。

 

会戦が始まりました。早速、部隊を左側に集めます。右方では、国人衆に敵左翼隊を引きつけさせます。

主力部隊が進軍を続けていると、富永隊を発見、次いで上田隊が姿を現しますが、しょせんは寡兵。この2部隊はすぐに崩れます。

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※霧の中から現れた大軍勢に、北条軍は驚いたことだろう。当家・小勢の佐竹義堅は索敵の別働隊として、後ろに回り込む。しかし霧によって視界が悪いため、なかなか氏綱隊を見つけることができない。

さらに主力部隊の右前方に、北条綱高隊が出現。しかし、宮城正業の激励により各隊は守備力を強化。被害を少なく抑え、敵をけん制します。

頃合いをみて、主力・佐竹義篤が綱高の相手をやめて北条氏綱の索敵を開始。上方に回りこみます。すると、側面を攻撃できる絶好の位置に氏綱の部隊を発見しました。

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この機を逃さず、愛洲宗通が奥義一閃を発動。それに対して氏綱は、五色備えを発動して抵抗します。

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※愛洲宗通の奥義一閃が炸裂。宗通はこう見えて22歳である。

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※五色備えとは、五人の将にパーソナルカラーを設定して戦隊っぽくすることで、北条軍全体の士気を上げるという北条氏綱の奇策である。

 

しかし、北条戦隊敗れたり。宗通の奥義一閃は凄まじく、氏綱隊は耐え切れずに混乱しました。

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※氏綱「むむむ」 北条兵「なにがむむむだ!」

すかさず上杉家の主力部隊が氏綱隊に突っ込みます。猛烈な乱戦の中、氏綱隊はあっという間に兵を消失。

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※混乱している部隊は本当に脆すぎる。

氏綱隊はそのまま壊滅。朝興はこうして蕨の戦いを制しました。

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※終わってみればあっけないものである。朝興は、ずっと後ろでゆっくりしていた。

こうして関東の覇権を賭けた大勝負は、一人のKENGOUの存在によって明暗を分けました。愛洲宗通はこの会戦で名を馳せ、後に城主にとりたてられます。

この乱世において優れた剣豪を抱えていなかったことが、北条家の運の尽きだったのです。

 

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